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透き通ったエナメルでハチドリを描いたジャケ・ドローの新作を披露

ジャケ・ドローは、プリカジュールエナメルを技法を用いた新作「プティ・ウール ミニット スマルタ クララ ハミングバード」を発表した。オフセンターに配されたダイアルのまわりには、生き生きとしたハチドリがステンドグラスを思わせるような透明感で描かれている。世界限定8本の限定モデルだ。

プリカジュールエナメルで描かれる鮮やかなハチドリ

ジャケ・ドローは、本社内常設のアトリエで製作する、伝統技法を多用した「アトリエ・オブ・アート」コレクションの新作を発表した。「プティ・ウール ミニット スマルタ クララ ハミングバード」と名付けられた本作は、中南米に生息する小さな鳥、ハチドリが飛び立つ情景を描いたもの。

 ハチドリのモチーフは、主にグリーンやブルー、イエローのグラデーションで表現されており、その絶妙な濃淡によって生き生きと表現されている。モデル名の「スマルタ クララ」はラテン語で、エナメル装飾のひとつであるプリカジュール技法を意味する。非常に歴史の長い技法であり、現在までこの技法をダイアルに採用するアトリエは非常に希少とされている。

プリカジュールエナメルは、比較的多くのブランドが採用している、金線を用いた「クロワゾネ」や、エングレービングによってベースをつくる「シャンルベ」とはまったく異なる。透き通った外観になるためダイアルのベースとなるものはなく、モチーフをかたどった蜂の巣状の枠に、色とりどりのエナメルを流し込むのだ。

 ひとつひとつのスペースをエナメルで満たしたあと、何度も焼成が繰り返される。高温での焼成作業一回一回がエナメルの色彩を決めるのだが、それと同時に規定値を超える温度で熱してしまうとひび割れを起こすというリスクがある。

 熟練の技を必要不可欠とする一連の作業によって生み出されるダイアルは、まるでステンドグラスのような透明感がある。光を透過するため、描かれるモチーフに立体感がもたらされるのだ。

時分表示のあるマザー・オブ・パール製のダイアルとリュウズは2時位置の方向に配置されており、モチーフを描くスペースを十分に確保。搭載するムーブメントCal.Jaquet Droz 6150は、このダイアルの裏面に収まっているため、光を透過するプリカジュールエナメルに干渉しない。加えて、18Kレッドゴールド製ケースのベゼルとラグには、100個ダイヤモンドがセッティングされている。

「プティ・ウール ミニット スマルタ クララ ハミングバード」は8本のみ製作される希少な限定モデルだ。ダイアルの製作工程を考えれば、納得の本数だろう。

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